工場に行こう!~日本製紙 石巻工場~ - みやぎ観光復興支援センター スタッフブログ

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工場に行こう!~日本製紙 石巻工場~

宮城県第2の都市、石巻。石巻市内に入ってすぐ目につくのが白煙(実際は水蒸気)を上げる煙突。
これは日本製紙株式会社石巻工場の煙突です。「漁業の街、石巻」は、実は「製紙の街、石巻」でもあり、石巻の人たちには、この工場の煙突の水蒸気や工場から微かに漂う薬品の匂いで天気を判断するのが、子供の頃からの習慣だったとか。

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工場の開業は昭和13(1938)年。70年の歴史を持ち、開業当時は火薬製造もしていたとか。そんなことから戦時中は連合軍の艦砲射撃を受けたこともあったそうです。

さて、ここで生産される紙の種類は、書籍などに使われるざらっとした感触の上質紙、雑誌の表紙に使われる表面がツルツルしたコート紙やチラシなどの印刷用紙、ティッシュ(クリネックスやスコッティというブランドでおなじみ)の紙などで、最盛期の年間生産量は100万トン(ちなみに宮城県内で1年間に収穫される米の量が約30万トンですから、とんでもない生産設備を持っています)、今でも国内に10拠点ある日本製紙の工場の中で最大規模を誇ります。

この工場も東日本大震災で大きな被害を受け、従業員や協力会社の方々を含む20名の尊い命が失われ、
設備も大きな被害を受けました。その完全復旧も全社一丸となって昨年の8月末には完了し、年間生産量は85万トンまで回復。

さて今回は会社のご好意により、工場の内部を見学。
冒頭の写真は工場の中からシンボルの煙突を撮影したもの。ちなみに工場内部は、本来撮影は不可。
今回は特別に許可をいただきました。

いよいよ同社が誇る製紙用マシンを見学。これが国内でも4台しかない世界最大の製紙用設備「N6マシン」。

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全長260m(ちなみに東京都庁舎の高さは243m)で、その巨大な長さの設備の中には紙を作るための様々な機能が満載。
ここで作る紙は植物繊維を溶かした液体をロールに吹き付け、何度も何度も乾燥。乾燥した紙の表面にコーティングを施し、ツルツルにします。これが雑誌やチラシなどの印刷用紙になります。
この「液体吹き付け」→「乾燥」→「コーティング」→「紙の巻取り(紙をロールにする)」の全てを完全自動で行えるのが、この機械で、1台のお値段は690億円!

抄速(紙を作るスピード)は、設計上、最高で1分間1800mの長さの紙が約8m強の幅の巨大なロールで出てきます。
下の写真に出ているデジタル表示の数字が「今、1分間にどれだけの長さの紙を生産しているか」を表示。
ちなみにこの機械も世界中の最新技術と特許の塊のため、特別許可をいただいて撮影。

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これだけ大量の紙を生産するため、マシンの音はとにかく大きい。案内してくれた方も怒鳴るような声で話さないと聞き取れないほど。
さらに「紙を乾燥する」ためには高温が必要なので工場の中は熱帯気候状態。室温は常に38度くらいあり、この機械の担当者には必ず耳栓とスポーツドリンクが支給されるとか。

ところで、こんな巨大な機械にも関わらず、担当する人数は驚くなかれ、たった7人!
しかもこの機械は製鉄所の溶鉱炉と同じで、よっぽどのことがない限り、24時間365日、ずっと動かしっ放し。

もし製造している紙の具合がおかしくなったり、機械の調子が悪くなったりしたら、どうすんだろ?
と思って質問したところ、機械そのものは一切停止させずにメンテナンスや部品交換をしてしまうんだとか。

説明から見学まで時間にして1時間程度のもので「工場好き」の方にとって、ここは正にパラダイス。社会科見学のコースにも最適でしょうね。



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